1996年に、販売促進(マーケティング業務)を主な事業とし、創業したのがオフィスビギンです。ありがたいことに、創業当時から事業はとても順調でした。
そんな折り、友人であり、お取引先でもある賀川正宣さん(現・株式会社NSKKホールディングス 会長)から「うちの会社の人事部長になって、新卒採用を成功させてほしい」と言われました。
当時の賀川さんは一店舗の携帯電話販売店を経営されていました。店舗の業績はうなぎ上りだったのですが、人の採用には苦戦を強いられていたのです。当時の私は、採用業務の経験はあったものの専門分野ではありませんでした。しかし、友人のため、他ならぬ賀川さんの力になりたいと思い、依頼を引き受けました。
新卒採用をするにあたって、正社員5名の携帯電話屋さんが、通常の求人広告を出したところで、成功するはずがない情勢でした。これには(株)リクルート(現・株式会社リクルートホールディングス)で仕事をしていた経験から推測できました。
そこで、まず始めたのが地道な大学回りです。しかし、そう簡単に色よい返事がもらえるはずもありません。次なる手は、合同企業説明会です。「どのようにすれば株式会社NSKKのブースに学生が集まるのか?」を考え続け、様々な手法を編み出していきました。また、その後の単独会社説明に来てくれた学生さんたちに向けても「どのようにして喜んでもらうのか?」を考え、徹底していきました。『ファン獲得採用』『魅せる会社説明会』をつくるために、賀川さんと二人三脚で、試行錯誤の連続でした。ここでは、私の販売促進の知識が役に立ったのです。結果的に、合同説明会会場ではブース来場者1位になり、単独会社説明会は立ち見が出てしまうほど、学生さんが集まってくれました。
最終的に、この年の採用活動で、公立大学出身者を含め6名の新卒者を迎え入れることができました。当時、新卒第一期生として入社してくれた玉田宗彦さんが、現在、株式会社NSKKの社長に就任されています。
その後、賀川さんと私とで考え抜いた『魅せる会社説明会』は、知り合いの社長の間で評判になっていきました。いつしか、毎回のように見学者が訪れるようにもなりました。
これが弊社の「人事部長代行業」の始まりです。創業当時は、マーケティングが主力事業だったのですが、いつの間にか人事部長代行業がオフィスビギンの主な事業となっていました。賀川さんを始め、お取引先からも紹介をいただけて、今や13社もの企業から顧問契約を結んでいただけるようになりました。
後日、賀川さんが「柳本さんならなんとかしてくれるはずだ。と思って頼んだよ」と話してくれました。
新卒採用という仕事を通じ、『採用に勝る教育なし』というこの言葉の意味がわかってきました。企業の成長は、素質のある人を採用し、教育を施すことにあると確信しています。
株式会社オフィスビギン
代表取締役 柳本周介